体内時計と疾病
体内時計と疾病
メタボリックシンンドロームの発症要因として、運動不足、過栄養などが知られていますが、これらに加え、最近の疫学研究によりシフトワークがリスクファクターであることが証明されました。この原因として体内時計の乱れが指摘されています。私たちは、体内時計を調節するタンパク質であるBMAL1が脂肪細胞の機能を調節することを明らかにしました。この結果は、「夜食により太る理由を科学的に証明した」として学問的だけではなく社会的にも高い評価を受けています。
現在、我々はBMAL1をある特定の臓器(例えば肝臓、骨格筋や脂肪細胞など)で欠損させた遺伝子改変マウスを作製し、その解析(遺伝子解析、血糖値、インスリン量など)を進めています。本テーマは世界中で激しい競争であり、出てくる結果はワクワクするものばかりです。
また私たちは「寝不足が皮膚の状態に影響する」ことに着目して、BMAL1と皮膚の機能(保水、ヒアルロン酸量、コラーゲン量など)との関係の研究に着手しました。これは一部、化粧品メーカーとの共同研究です。